長所伸展

親たち

 お母さん方が子供を育てられる時、すぐに激しい口調で何かを直させることはありませんか。私自身が20年近く教育の世界にいて、一つ確実に肌で感じ、また失敗などを通して分かったことがあります。それは「欠点を指摘しても良くならない」ということです。ただし、言葉遣いや態度、宿題忘れなどは無理やりでも直さないといけません。しかし、性質・性格・能力の欠点を指摘しても良くはならないのです。それどころか心を閉ざして今後言うことを真剣に聞いてくれなくなり逆効果です。
 日本を代表する経営コンサルタント会社をつくった船井幸雄氏の講演などを聞くと、必ず企業の2ヵ所良い所を指摘してから1ヶ所悪い所を指摘するというほどです。そうしていくと欠点が消えていくというのです。
 私自身の経験でも、プロ教師の修行中であった大手の進学塾に勤めていた頃、先輩社員に北村先輩という方がいました。私はその人から授業のリズム感というのをとことん学びました。北村先輩がミーティングで注意する時、「横井は、黒板に立った時、華がある。子供に安心感を与える。」と言ってから、細かい点をいくつも指摘してくれたのを覚えています。1、2ヶ所、長所を指摘して相手がその人の指摘を聞こうと思えてから次々と直させていく。これはとても効果があると感じました。
 私自身今、年中これが出来ているとは思いませんが、態度や言葉遣いを厳しく直させる時以外は、いきなり欠点を指摘したり、怒るようなことはありません。とにかくその子、その子の長所を見つけてからというのが先決です。「この子は歴史に興味を持っているぞ。」とか、「この子は休まずに来る。」、「この子は集中力がある。」、「この子は良い授業というものが判別がつく。」など何ヶ所かに渡って長所を見つけていくようにします。
 今後の学院運営に当たって子供達に良い影響を与え、伸ばしていく上で保護者の方の協力がとても必要だと思っています。ご家庭でも、感情的な注意などは出来るだけ減らし、ゆっくり落ち着いた指摘やまず長所を伸ばして欠点を時間はかかるでしょうが、長所を伸ばすことによって消していくような対応が大切な気がします。