ピグマリオン効果をご存知ですか?
最近よく、このピグマリオンという言葉が教育業界や心理学の中で使われています。ピグマリオンとは何かというとギリシャ神話に出てくる王の名前です。王は、大理石でできた乙女像に恋をしてしまい、彫像が生きた女性になることを毎日願ったのです。
その願いが神に通じ、大理石に生命が通いました。アメリカの心理学者ローゼンソールは、学校における教師と生徒の間に、「期待」の相互作用を認め、この作用を「ピグマリオン効果」と名付けました。
ピグマリオンと乙女像 教師がある生徒の学力向上について高い期待を持つと、生徒側もその期待に応えてかなりの高確率で学力向上を達成するのです。
ですから学院で生徒をしかる際にも時には、「おまえほどのやつがこんな態度では悲しいじゃないか。」とか、「君ならやってくれると思っていたのに。」と目に涙をためて訴えたのならば、そういう思いや期待に応えなくてはと感じるでしょう。
子供たちや会社でいうなら部下に対し、常に「期待されている」と感じてもらわなければなりません。
人間は「認められたい」、「集団の中で何かを評価してほしい」という欲求が強いものです。
私は、昔授業内である一人の生徒をこう褒めたことがあります。「皆聞いてくれ。この子は最近入ったばかりだが、真剣な表情で取り組んでいる。すごいやる気を感じるな。この子は3ヶ月後期末テストですごい結果を出すぞ!僕は思うよ。まぁ、僕の勘は外れないんだけど。」と授業内で話したことがあります。結果はどうなったかというと、290点で入塾してきて3ヵ月後、一気に430点になりました。
もともと素質のある子だったと思います。そこに的確な指導と本人のやる気、そして期待の相互作用が加わったのです。何年の前の出来事ですが、その子は一気に開花しました。今でも私のことをよく覚えていて当時の物真似までしてくれます。
学院ではこのピグマリオン効果を用い、期待や褒めるという点を大切にしています。ただ厳しい時もありますが・・・。今後も子供達の心を前向きにできるような指導をより一層心掛けていきたいと思います。また、ご家庭内でも子供たちに「こう伸びて欲しい」と強く期待することが大切であると思います。人は、「認められたい」そして「何かを評価してほしい」という生き物なのです。闇雲に注意しても効果はありません。
学院は、今後も教育に対し、常にもっとも真剣な教育機関の一つであり続けたいと考えます。